*自閉症スペクトラムとは スペクトラムというのは「連続体」のことです。 たとえば虹はスペクトラムです。7色に分かれているように見えても、境目ははっきりせず、赤からオレンジへ、 オレンジから黄色へとだんだん変わっていきます。 自閉症も、こだわりの強い人から弱い人、言葉のある人からない人、までいろいろな段階が連続して存在おり、 カナー型自閉症、アスペルガー症候群、自閉傾向、軽度の自閉性などはそれぞれ独立した別々の発達障害ではないとする見方が主流です。 どこにも線引きはなく、地続きであるという状態です。
『発達障害』のおもな原因は、脳の機能障害です。 最近の研究では、前頭前野や大脳辺縁系、大脳基底核の働きが低下していると考えられています。 また小脳や神経伝達物質の異常も大きな原因の1つと考えられていますし、遺伝も関わっている と考えられます。 自閉症スペクトラム (ASD) や学習障害 (LD)、注意欠陥・多動性障害 (ADHD) などを総称して 「発達障害」と呼んでいます。 知的な障害を伴うこともありますし、これらの症状が複雑に重なって現れることもあります。
発達障害は見た目ではわかりにくいせいか、いろいろな面で誤解されることがあるようです。 でも、さまざまな領域すべてが遅れているわけではありません。むしろ優れている領域もたくさんあります。 得意なことと不得意なことの差が大きいのです。 そのせいで支援の必要性が見落とされ、困った行動ばかりが目についてしまいがちです。 周囲からの理解がないと、人と異なる行動を問題行動と誤解され、怒られてしまったりいじめられてしまったりなど、傷つけられることも多くなってしまいます。 また「できるはずなのにできない」「真面目に受け答えしているのに人間関係がうまくいかない」などとお子さん自身が感じ、不安になったり苦しんでしまうこともあります。 ですから、「みんなと同じ」を求めすぎず、そのお子さんの良さを見つめて保育をしていく必要があります。 持って生まれた素質の「いいところ」を見つけ、困ったところを支援し、どんな環境を整えるかで、発達障害の子供たちの力はのびやかに発揮され、将来は変わっていきます。
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